W杯スノーボードハーフパイプ第4戦

ここより

【ウィスラー(カナダ)10日=共同】スノーボードのワールドカップ(W杯)は10日、当地でハーフパイプ(HP)第4戦決勝を行い、女子は中島志保(27)=ヨネックス=が40・7点で初優勝するなど、日本勢が5位までを独占した。男子の国母和宏(17)=北海道・登別大谷高=も43・5点で、スイスでの第3戦に続き連勝(通算2勝目)。日本の男女アベックVも2戦連続となった。


◆盟友・渡部に“捧げる”V2

 トリノ五輪への夢を絶たれたライバルの涙に、国母が発奮した。決勝直前の練習で、同じ高校生の渡部耕大(17)が右ひざ十字じん帯断裂の大けが。「あいつのために頑張りたかった」と五輪内定者のハートに火がついた。

 17歳とは思えぬ冷静な状況判断で、頂点に立った。雪面が軟らかくなった悪条件を考慮。技の回転数を抑え、完成度の高い演技を確実に決める作戦で、2回目ではただ1人の40点台をマーク。理想通りの快勝劇に、「素直にうれしい。うまく技を組み立てることができた」と目尻を下げた。

 10月のW杯スイス大会に続き、2連勝。日本のスキー競技史上最年少の17歳6か月で五輪代表に内定している若武者は、「この大会で優勝したというだけ。これで五輪で勝てるとは思っていない」と浮かれた様子はない。日本の冬季五輪最年少メダルへ向け、着実に歩みを進めている。